【転職の思考法】を要約。自分に合う仕事を見つける方法を紹介

転職の思考法

「転職の思考法」はこんな人にオススメの本

  • 自分に合う仕事は何か?転職の軸を知りたい
  • 転職にあたって自分の市場価値とその上げ方を知りたい
  • 長期的な視点で、自分のキャリアをどう設計すべきか知りたい

誰でも初めての転職は不安になりますし、仕事選びで失敗はしたくないですよね。そのため転職サイトに登録し、時間をかけて求人情報に目を通します。

しかし、どれだけ求人情報を見ても、自分にぴったりと合う会社は見つからないものです。なぜなら、転職に一番大切なことは「転職情報」ではなく「転職の軸」だからです。

「転職の軸」とは、転職をする際に出てくる悩みを解決するための指標です。

例えば下記のような悩みです。

  • 自分には専門性がないけど転職は上手くいくだろうか?
  • 転職はしたいけど、今の給料は落としたくない
  • やりたい仕事がわからない

このような悩みを解決するための具体的な考え方を学べるのが「転職の思考法」です。

この記事では「転職の思考法」について、本の内容の要約と、特に重要だと感じた部分について深掘りして紹介していきます。

現在、転職について悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

「転職の思考法」要約と著者の紹介

  • 転職の思考法
  • 著者:北野唯我
  • 発行所:ダイヤモンド社

著者である北野さんは、人材ポータルサイト「ワンキャリア」で最高戦略責任者などを勤められている人です。

博報堂やコンサル企業の経験もあり、他にも日経新聞やビジネス誌「プレジデント」での執筆されている、キャリア設計の専門家です。

作品の冒頭では、著書についてこう書いていました。

私はこの本を通じて、すべての人が「いつでも転職できる状態」をつくりたいと本気で願っています。なぜなら、すべての働く人がいつでも転職できるだけの「市場価値」を持てたとしたら、あなたの生き方すらも変わる可能性があるからです。

僕も実際に読んでみて、転職に必要な考え方、つまり「思考法」が具体的になりました。

抽象的な話が書かれているのではなく、いざ転職を考えたときに

  • どのように自己分析すればいいのか
  • どのように伸びる企業を見極めればいいのか
  • 身近な人に転職を理解してもらうにはどうすればいいのか

などを具体的に知ることができました。

この本を読むことで、悩んでいる原因が明らかになりますし、転職の際に失敗するリスクを減らすことができると思います。

では、実際に読んでみて、特に重要だと思った内容を紹介していきたいと思います。

紹介するトピックは以下の通りです。

  • 転職が怖い理由は「初めての〇〇〇〇」だから
  • 市場価値の測り方
  • 会社選びの3つの基準
  • ほとんどの人に「やりたいこと」なんて必要ない

転職が怖い理由は「初めての〇〇〇〇」だから

「いいか。ひとつ問いたい。なぜ、初めての転職が多くの人にとって怖いと思う?」「そりゃ、転職先がもし潰れたらどうしようとか、考えるからでしょうか」「違う。いいか、転職というのは多くの人にとって『初めての意思決定』だからだ。だから、怖いんだ」

おそらくこの記事を読んでいる人も、少なからず転職を考えている中で、不安に感じていることがあると思います。

その理由は、転職は【初めての意思決定】だからです。

というのも、多くの人の学生から社会人になるまでの経験は、ある程度決められたレールに沿ったものであり、そこに本当の意味での意思決定はありません。

義務教育を終えたら、高校や大学に進学し、その後就職活動をして入社する。

進学先、就職先は自分で選んでいるかもしれませんが、基本的には、学生生活を送り、時期が来たら就活して、社会人になるという大きな流れに合わせて生きてきているはずです。

しかし、転職活動はこの大きな流れの中には存在しませんし、多くの人は自ら転職をしようとは考えません。

なぜなら、転職活動は【何かを捨てることを伴う】意思決定だからです。

転職では、進学や就職活動を通して入社した会社を辞めることになります。

つまり、これまで積み上げてきたものを手放すことになります。だから不安を感じるのです。

そして、この不安は転職後も続くことになります。

しかし、この意思決定が良い方に転ぶか、悪い方に転ぶかは、やってみないことにはわかりません。

そのため、転職活動では常にこういった不安や恐怖が付きまとうことになりますが、仕方のないことでもあります。

このことを事前に前提として知っておいて欲しくて、最初に紹介しました。

とはいえ、転職の思考法を学んだ上で意思決定を行うことで、不安や迷いは少なからず減らすことができると思います。

それでは、その具体的な内容について紹介していきます。

市場価値の測り方

いいか。君に必要なのは、まず、自分のマーケットバリューを理解することだ。マーケットバリューとは、市場価値 のこと。市場価値とは、その名の通り、今の会社での価値ではなく、世の中からみた君の価値、君の値段だ。

まず、転職する全ての人にとって重要となる指標があります。

それは「市場価値(マーケットバリュー)」です。

この本ではよく「マーケットバリュー」という言葉で説明しています。

簡単に言うと、市場価値が高い人間は、1つの会社に依存せずに生きていくことができます。

一方で、市場価値が低い人間は、自分の所属している会社が潰れてまうと、生きにくくなります。

なぜなら転職活動とは「企業に自分という商品を売り込む活動だから」で、市場価値が低いとは、自分という商品の価値が低いことに他ならないからです。

とはいえ、自分の市場価値を、自分自身で「高い」と言える人はなかなかいないと思います。

では、どうすれば市場価値が高いと言えるのか、そして市場価値を上げるにはどうしたらいいのでしょうか?

そのことについて、本の内容を抜粋しつつ、下記の2つを解説します。

  • 市場価値の測り方
  • 市場価値の高め方

まず、市場価値は3つの要素に分解できます。

  • 業界の生産性
  • 人的資産
  • 技術資産

この3つの要素のかけ算で市場価値は決まります。

では、それぞれの要素の内容について解説します。

技術資産

技術資産とは、その名のとおり、価値のある技術をどれくらい持っているか?だ。そして、技術資産は『専門性』と『経験』でできている。

技術資産について、「専門性」と「経験」の2つに分解できます。

専門性とは主に「職種に紐づく技術」のことを言います。例えば、

  • 法人営業
  • アパレル販売員
  • 経理事務

などいった感じです。

一方で経験とは「職種に紐づかない技術」のことを言います。

  • チームマネジャー
  • 自動車メーカーの業界経験

などです。

そして本によると「専門性」と「経験」は年齢によって伸ばすべきポイントが変わるそうです。

具体的には20代は専門性を伸ばし、30代は経験を取るべきなのだそうです。

理由も説明されています。

専門性のないやつに打席は回ってこない。だから、20代は専門性を身につけて、それを生かして30代は経験をとりにいくのがベストだ。

この視点は僕も持っていなかったので、勉強になりました。

それを踏まえて、僕自身の見解としては、「20代前半に身につける専門性を決めて、後半でそれを伸ばす」という流れがいいなと思いました。

入社1社目で自分にあった専門性を学べる人は稀だと思うので、まずはいろんな職種に触れてみるのも1つの手ではないでしょうか。

人的資産

どの業界にも、人脈だけで仕事を引っ張ってこれる人がいる。その人だからこそ動いていくれる社内の人や、指名で仕事をくれる人間。これが『人的資産』だ。

人的資産は若い頃から、伸ばすのはなかなか難しいようです。

人的資産は、あくまで自分にマーケットバリューがあることが前提で、それを元に人との繋がりを増やしていくことが大切です。

そのため若い間は、マーケットバリューがそこまであるわけではないので、人的資産はつきにくい傾向があるということです。

しかし、年齢を重ねていくと人的資産の重要性は顕著になってくるようです。

技術資産や後述する業界の生産性が高い人が、人脈を増やすことで人的資産も大きくなり、結果として市場価値はとても大きなものになります。

そのため、20代は専門性、30代は経験と書きましたが、40代は人的資産が重要になっていくのです。

僕自身、この観点も不足していたので、勉強になりました。

業界の生産性

その業界にいる人間が、平均一人当たりどれほどの価値を生み出しているか。よく使われる言葉でいうと、一人当たりの粗利に該当する。そして、給与の期待値、つまり、マーケットバリューというのは、『業界の生産性』に最も大きく影響を受ける。

市場価値において、重要度の大きい要素が「業界の生産性」です。

なぜなら、個人の技術資産や人的資産も重要ですが、そもそもの業界の生産性が低いと、それに影響されてしまうからです。

業界の生産性とは、つまりその業界がどれだけ売上を出しているか、儲けているかです。

例えば、アパレル業界と金融業など様々な業界の生産性を比べると、明らかに金融業界の生産性が高いと考えられます。

日本にも様々な業界がありますが、生産性を産業別のGDPとしてみると、GDPの低い産業と高い産業では、最大20倍近い差があるそうです。

単純に考えると、日本の1人あたりGDPは400万〜500万と言われていますが、仮に生産性最低の業界が100万だとすれば上は2000万の生産性があることになります。

この差はかなり大きいですよね。

著者の方も、業界の生産性の重要さについてこのように言っていました。

言い換えれば、いくら技術資産や人的資産が高くても、そもそもの産業を間違ったら、マーケットバリューは絶対に高くならない。

それほど、会社選びにおいて、業界の生産性は重要になってくるということです。

会社選びの3つの基準

転職には「市場価値」を知ることが大切という話をしました。

そのほかにも転職の際に、考えるべき軸が2つあります。

それは、「働きやすさ」と「活躍の可能性」です。

求人情報は世の中に山ほどある。パラパラ見るだけで一日が潰れるほどにな。そして結局わからなくなって転職のアドバイザーに話を聞き、言われるがままに受けてみる。こんなことが、毎日、何千、何万と繰り返されている。だが、それは結局、何も考えずに受けるのとほとんど変わりがない。重要なのは、先に論点を明確にすること。それが『働きやすさ』と『活躍の可能性』の二つだ。
(中略)
必要なのは……自分はどんな情報があれば整理できるかを明確にすること

つまり、これをまとめると下記の通りです。

会社選びの3つの基準

  • マーケットバリュー
  • 働きやすさ
  • 活躍の可能性


大切なことは自分自身が、転職の際、何を重要視して会社を選ぶか、先に基準を明確にすることです。

なぜなら、入りたい企業を選ぶ時に選択する軸がないと、ただなんとなく「いいなあ」とか「合わなさそうな気がする」となってしまい、具体的な選択ができなくなるからです。

会社選びの軸を明確にすることで、求人情報を見ながら、自分にとって重要な求人なのかどうか、取捨選択しやすくなります。

例えば、自分の中で3つの中で「働きやすさ」の優先度が高いなら、まずは求人情報や口コミで、労働環境や福利厚生、社風、平均年齢などをチェックすることができますよね。

「活躍の可能性」であれば、「企業がどのような人材を求めているか」や「どんな活躍を期待しているか」などを基準にみていくことができます。

基準がぶれていたり、はっきりしていないと、目的のない転職になってしまう可能性があるので、まずは転職や会社選びの基準をはっきりさせましょう。

とはいえ、ほとんどの人が自分の求めるものを100%把握しているわけではないと思うので、基準を考える際に自己分析は必要です。

転職希望者は、少なからず会社経験があるはずなので、自分が何に向いていて、何に向いていないかなどは、内省しながら、振り返ってみるといいでしょう。

振り返ったら、仮でもいいので基準を作り、それを軸に会社を選んでいきましょう。

違うと感じたら、適宜基準を修正していけばいいのです。

まずは基準を作ってみることが大切です。

ほとんどの人に「やりたいこと」なんて必要ない

・todo(コト)に重きをおく人間……何をするのか、で物事を考える。明確な夢や目標を持っている
・being(状態)に重きをおく人間……どんな人でありたいか、どんな状態でありたいかを重要視する

世の中の人間は、todo型とbeing型の人間に分かれていると言います。

todo型の人は、仕事に「何をするか」を求めます。

例えば「何か新しい商品を作る仕事がしたい」「自分が作ったサービスで世の中をもっと良くしたい」といった感じです。

being型の人間は、どんな状態でありたいかを重要視します。

例えば「ストレスのない人間関係の職場で働きたい」「自分の強みが生きる環境で働きたい」という感じです。

つまり、being型の人間には「明確なやりたいこと」なんて必要ないのです。

好きなことがあるということは素晴らしいことだ。だが、ないからといって悲観する必要はまったくない。なぜなら、『ある程度やりたいこと』は必ず見つかるからだ。

being型の人間が好きなことを見つける方法

最後にbeing型の人が、楽しめる仕事を探すための方法について紹介します。

僕がbeing型の人間なので笑

結論から言えば、『得意なこと』を『好きなこと』に近づけることだ。

これをもう少し深掘りすると、下記の2つのポイントがあるそうです。

他の人から上手だと言われるが「自分ではピンとこないもの」から探す方法
普段の仕事の中で「まったくストレスを感じないこと」から探す方法


繰り返しますが、todo型の人間でない限り、「これだ!」と言えるようなやりたいことは見つけられません。

ただ、逆に言えば「ある程度やりたいこと」は意外とあります。

その上で、得意なことやストレスを感じないことで、ある程度やりたいことを見つけ、それを好きになるのがベストだということです。

自分自身で「何が得意なのか」を考えてみることと同時に、同僚や友人、家族にもあなたのことについて聞いてみるといいかもしれませんね。

僕自身はもともとアパレルで働いていましたが、上司から「パソコン得意だね」「パソコン使って働いている時が一番イキイキしてる」と言われたので、今はwebサイトを作ったり運営する仕事をしています笑

すごくやりたいことがあるわけではないですが、自分がストレスに感じずに、自然体でできる仕事というのはとても大切ですね。

まとめ:転職を始める前に【思考法】を学ぼう

「転職の思考法」重要ポイントまとめ

転職が怖い理由は「初めての意思決定」だから
市場価値の測り方
会社選びの3つの基準
ほとんどの人に「やりたいこと」なんて必要ない

「転職の思考法」を要約しました。

転職は少し前までは悪いという風潮や考え方がありましたが、これからはいつでも転職ができるような人材が求められるようになってくると思います。

そんな人材になるためにも、自分の市場価値を高めたり、仕事に対する考え方はしっかりと持っておきたいですね。

それこそが【転職の思考法】だと思いますし、人生を安定させるために重要なことだと思うので。

直近で転職を考えていない方も、仕事に対する考え方が変わると思うので、ぜひ読んでみてくださいね。

それでは。

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